日本には50種類以上のゴキブリが生息していて、南の温かい地域ではより多くの種類が確認されています。
最近ではペットとして海外から珍しい種類のゴキブリを輸入し、それが逃亡することにより、日本に住み着いてしまったという例もあるようです。
そのうちハーフゴキブリなんかの交雑種が、芸能界張りに勢力を広げていくかもしれませんね。
海外のゴキブリは巨大なものも多いですし、色々な環境下のゴキブリがもし掛け合わされたら、それぞれの環境に対する病気や自然に対する抵抗力を両方兼ね備えることができ、日本の未来の環境変化にも耐えうるスーパーゴキブリが誕生するのかもしれません。
少なくとも地球温暖化により、南のゴキブリが北上してくるのも時間の問題でしょう。
日本のゴキブリの種類
現在日本で見かける代表的なゴキブリを紹介します。
チャバネゴキブリ
日本で棲息しているゴキブリでは最も個体数が多いといわれていますが、体長が成虫でも1.2cmほどなので、ゴキブリの出没インパクトとしてはショックが小さいですし、また遭遇してもそれがゴキブリと知らない人も多いのではないでしょうか。
ですが、特に飲食店などでは万単位で棲息してる場合も多く、筆者も昔、もつ鍋屋で店主がテーブルに置いたカセットコンロに点火した途端、無数のチャバネさんが中から這いだし四方八方に広がって凍り付いた過去を懐かしく思い出します。
クロゴキブリ
日本で一番ポピュラーなゴキブリで脂ぎったテカりのある外見をしており、名前の通り黒光りしています。
ゴキブリと言われて日本人が最初に思い浮かべるのはこのゴキブリでしょう。
ただし、幼虫のゴキブリは赤茶色をしているため、そちらがチャバネゴキブリと勘違いしている人も多いのではないでしょうか?
ワモンゴキブリ
クロゴキブリほどメジャーではないものの、身近なゴキブリとしては日本最大で、大きなものでは4.5cmを超えるものもあります。
前胸背板に黄褐色の紋があり、クロゴキブリよりは見かけることが少ないだけに気持ち悪さは半減しますね。
コワモンゴキブリ
ワモンゴキブリと見た目は似ていますが一回り小さく、こちらも遭遇する確率は低いです。
トビイロゴキブリ
ワモンゴキブリと見た目は似ていますが、九州より南の地域に棲息が確認されることが多いです。
ヤマトゴキブリ
名前の通り昔から日本に棲息していた種で、クロゴキブリに似ていますがテカりがなく、雌雄の形状差があります。
世界の美しいゴキブリの種類
グリーンバナナローチ・イエローバナナローチ
中央アメリカに棲息するオオゴキブリ科の森林ゴキブリです。
全身がエメラルドグリーンの美しいゴキブリで近年ではペットとしても人気があり、気持ち悪さが少ない点から昆虫マニアでない人にも受け入れられ、爬虫類等のエサ用としても販売されています。
種によっては雌だけがイエロー一色のものもあり、つがいで飼うととてもカラフルで楽しめます。
ルリゴキブリ
沖縄周辺の温かい地域に棲息しており、日本で最も美しいゴキブリとも言われています。
暗青色のメタリックカラーや赤い帯状の模様のついたものもあり、ゴキブリというよりはカナブンのような外見です。
ヨロイモグラゴキブリ
重厚感を愛する人にはたまらないゴキブリです。
体重は最大で35g、体長は最大で80mmにもなる世界最大のゴキブリで、オーストラリアの熱帯区域に棲息しています。
見た目はダンゴムシかオーム(ナウシカ)かといった感じで、羽もなく動きも鈍くモグラのように土に潜って生活しています。
脱皮直後
クロゴキブリだって負けていません。
脱皮直後は、透き通るように白いんです。
また、脱皮直後はやわらかく一説によると食感がいいとのことです。
だからといって、生食はお控えください。
なぜこんなに気持ち悪い?
なぜ人間は一部の人を除いて、ゴキブリをこんなにも嫌うのでしょう?
考えてみれば、蚊やダニなどは刺してくるし痒いし病気まで運ぶし、害を受ける頻度から考えれば害虫の中の害虫と言っても過言ではありません。
でもゴキブリは刺さないし、悪臭を放つわけでもないし、ゴキブリがキッチンに現れたらキッチンにあった食べ物がすべて腐ったなんてこともないし、どちらかというと『害虫』ではなく『不快害虫』に分類されるのではないでしょうか。
『不快害虫』は後天性の恐怖が引き起こした心理的な害をもつ、いわば『キモイ』という理由だけで嫌われる虫のことです。
ではなぜ外見の似ているカブトムシは良くて、ゴキブリはこんなに嫌われてしまうのか考えてみましょう。
刷り込み
人間の子供は親を見て育ちます。
大抵は好意的な目で親を捉えており、最初は親の行動を見て真似したり、親と同じものを食べたり、親が好きなものを好きと感じたりします。
これは何も知らずに危険なものに手を出してしまわないための防衛本能であり、安全に生き延びてきた親と同じ行動をとることで危険を避けることができると、本能的にわかっているからです。
その親がゴキブリに遭遇してとる行動は、『悲鳴をあげる』『殺虫剤をかける』『たたきつぶす』『追い出す』……どれをとっても、最大級の敵に対する攻撃ですよね。
それを見て子供は学習し、ゴキブリ=汚い・危険・恐怖・悪・排除・駆除という図式が構築されてきたのです。
幼いころの刷り込みは強力で、大人になってからそれを努力で覆そうとしても、なかなか軌道修正できるものではありません。
なおかつ、現在は軌道修正するようなゴキブリに対するメリット情報なんてものは、ほとんど取り上げられていないので、余計に悪のイメージが払しょくされないままになるのです。
それが証拠に、私たちは『キモイゴキブリ』として一番メジャーである『クロゴキブリ』に対して、最も嫌悪感をもつことに気づいていらっしゃいますか?(九州以南にお住まいの方には当てはまらないかもしれません)
外国産の珍しい種はそれがゴキブリと教えられなければ、希少品として愛でてしまうかもしれません。
まとめ
こうやってみると、なんだかゴキブリって気の毒な存在ですよね。
ちょっと可愛そうな気がしてきました。
人類の敵とみなしてきたキモイ彼らの良さを掘り起こしてみれば、私たちの見方も変わってくるかもしれません。
もしかしたら、知らないところで人類の役に立っていて、実は益虫だった!なんてことが、未来には当たり前になっているかもしれませんね。
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