蜘蛛が家に出ると縁起が良い?朝のクモは殺しちゃいけない理由とは?

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『蜘蛛(くも、クモ)』と聞いて、みなさんはどんな印象を持つでしょうか?

気持ち悪い?
グロかっこいい?
スパイダーマン?

家の中に蜘蛛が出たとしたら、ゾッとするし、近づきたくはないですね。
殺虫剤で殺してしまう人もいるでしょう。

でも、家の中の蜘蛛を殺すと、縁起が悪い…または逆に縁起がいい…
そういう言い伝えが、昔々から存在することをご存知でしょうか?

ここでは、気持ち悪いけどなんとなくミステリアスな、蜘蛛にまつわるお話を紹介します。

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朝の蜘蛛は縁起が良い、夜の蜘蛛は縁起が悪い

民間伝承として、『朝の蜘蛛は福が来る、夜の蜘蛛は盗人が来る』という話を聞いたことがあるでしょうか?

「朝に蜘蛛に出会ったとしたら、その蜘蛛が幸福を持ってきてくれるので殺してはいけません」

「夜に蜘蛛に遭遇したら、泥棒が来る前触れかもしれないから殺してしまいなさい」

という言い伝えがあるのです。
これは現在では迷信とされていますが、本当のところはどうなんでしょうか?

なぜ?どこから?そんな話が生まれたのでしょう。
伝承が生まれるには必ず理由があるはずです。

この伝承の信憑性について、詳しく検証してみましょう。

蜘蛛にまつわる言い伝えは日本だけじゃなかった?

日本の蜘蛛にまつわるこの言い伝えの発祥は起源が古く、奈良時代の文献にも残っています。

ですが地域によっていろいろな伝承があり、夜の蜘蛛が縁起がいいという説もあるのです。

また、ヨーロッパでは蜘蛛が幸運や金運の象徴とされていたり、ラテンアメリカでは苦難や束縛のイメージでとらえられていたりします。
世界中で蜘蛛は、善の存在とも悪の存在ともされることがあり、また善悪関係なく中立で霊的なもの、と結び付けられることも多いのです。

努力の象徴、邪悪の象徴、霊界の使者、自由の象徴、成功または失敗の象徴……、実に様々です。

そもそも人類が蜘蛛に神秘性を感じたのは、そのグロテスクな姿ゆえです。
その姿を気持ち悪いとおもうか、かっこいいと思うかは人の好みの問題ですが、何も知らない人が見れば、最初はほぼ間違いなく嫌悪と恐怖を呼び起こすでしょう。

ところが蜘蛛の特徴や習性を知れば、それが人間にとって大抵は善良なものとわかります。

そんな蜘蛛に対するイメージの二面性に、その国の民族性や宗教のなりたちが深くかかわって、それぞれの地域の伝承となったのです。

なおかつ、蜘蛛の生活域が人間にとってより身近であることも、これだけ多くの伝承を生んできた要因ですね。

結局、夜に家の中に出る蜘蛛はやっぱり殺しちゃったほうがいいの?

結論から言えば、『そこそこ信じてよい(一理ある)』と言えます。

日本において朝の蜘蛛が尊ばれる理由を挙げると次のようになります。

朝の蜘蛛が尊ばれる理由

□ 朝日にあたった蜘蛛の巣は朝露で輝いて芸術的(日本人は自然の美を称える習慣があります)

□ 毒蜘蛛は、日中休んでいることが多く、あまり実害がない

□ 徘徊性(蜘蛛の巣を張らないため不快度は低い)の蜘蛛は昼行性のものも多い

□ 夜間に比べ日中は人間も外で活動することが多いため、外での遭遇に対しては駆除の必要はない

□ 家で昼間にみる蜘蛛の代表はハエ取りグモだが、この蜘蛛は毒はなく害虫を駆除してくれて巣も張らないため、人間の味方と言える

夜の蜘蛛が嫌悪される理由

逆に、夜の蜘蛛が嫌悪される理由を挙げると次のようなものになるでしょう。

■ 夜は蜘蛛の巣に気づかず、歩行中に顔に張り付き不快

■ 毒蜘蛛にも夜行性が多いため、夜に毒蜘蛛に会えば刺咬被害が出る

■ 造網性(巣を張る蜘蛛)の蜘蛛の多くは夜に巣を作る。夜に造網性の蜘蛛に出会うとすれば、それは家の中なので、家の中に巣を張られてしまうことになる

■ 夜は捕食する対象の虫が人の目につかない場所に隠れるため、それを追う徘徊性の蜘蛛(巣を張らないので不快度低い)も滅多に人前に姿を現さない

こうやって理由を箇条書きにしていくと、蜘蛛にまつわる伝承がかなり理に適っているのがわかりますね。

蜘蛛占い

占いの世界でも、蜘蛛は善と悪の対極の象徴として用いられます。
蜘蛛の夢を見たのなら、夢の中の蜘蛛がどんな様子だったか、思い出してみましょう。

 白い蜘蛛 : 金運・仕事運アップ
 黒い蜘蛛 : 問題解決のきざし
 家の中の蜘蛛 : 再会の予兆
 家の外の蜘蛛 : 勇気をもてる
 蜘蛛の巣作り : ステップアップ・昇進・新天地
 蜘蛛を殺す : 克服・復活・解放
 一本の蜘蛛の糸の夢 : 援助の予兆
 大きな蜘蛛 : ストレス・心配・葛藤
 毒蜘蛛 : トラブル・アクシデント
 蜘蛛の巣に捉えられる : 葛藤・困難・罠
 咬まれる : 裏切り
 餌付け : 誘惑
 糸がからむ : 病気・体調不良・けが・災難
 巣だらけ : 波乱・人間関係のこじれ・八方ふさがり

ここに出てきた蜘蛛の夢を見た人、占いの予兆はあたりましたか?
所詮占いだし…、と思っていませんか?

いいえ、そんなことはありません。こちらもかなり信憑性が高いと言えるのです。

動物が大地震を予知して暴れだしたり、津波を予知して人間を残し早々に避難していたり、という話を聞いたことがあるでしょう。感覚にだけ頼って生きている動物たちは、野生に近ければ近いほどそれが研ぎ澄まされ、人知を超えた能力を発揮することがあります。

人間は理性に頼って生きてきた時間が長く、また現代では本能より理性を重視する社会構造となっているため、感覚を鍛える訓練がなされていないのです。
かといって、動物的な感性がゼロになったわけではありません。

人が寝ている間は脳が部分的に休んでいますので、理性のストッパーがその分効きにくく、本来備わっている感性の部分が前面に出てきやすいのです。

日常の出来事の中で、きっと無意識に何かに気づいているんです。

起きている間は理性のストッパーによってそれをはっきりと認識できませんが、本能ではなんらかの危機や予兆を感じ、深層心理からの警告メッセージとして夢の中に出てきているのが、夢占いの実態です。

ただし、この蜘蛛のイメージはとても『一般的』なものの統計です。

蜘蛛を見ると愛しくて仕方がない、崇拝している、蜘蛛を飼っている、蜘蛛の巣にとらわれてみたい…、といったようなマニアックな人の夢診断には適しませんので、ご注意ください。

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