『旧盆』沖縄での旧盆のやり方とお供え物!本土とはこんなに違いがあった!

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一般的にお盆といえば、お盆休みを想像する方も多いのではないでしょうか?

日頃、仕事で忙しい方にとってはゆっくりと羽を伸ばしたり、実家に帰省したり、海やプールといったレジャーでのリフレッシュを計画される方もいるかもしれませんね。

しかし沖縄でお盆といえば、旧暦の7月13日~15日の3日間で、1年でもっとも大切な先祖供養の日と考えられています。

普段は仕事でなかなか仏壇に手を合わせられない方も、本土に就学・就職した方も、この時ばかりは帰省して親戚一同集まります。
この時期に「海や旅行に行ってきます!」なんて口にすれば、100%怒られること間違いなしです!

そんな親戚一同が集まる沖縄の旧盆とは、一体、どのようなものでしょうか?

この記事では、本土とは異なる沖縄の旧盆のやり方と、お供え物についてご紹介したいと思います。

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旧盆中は大忙し!ウンケー、ナカビ、ウークイって何?

沖縄の旧盆は、1日目をウンケー2日目をナカビ(ナカヌヒー)3日目をウークイと分けて過ごします。

ウンケー(お迎え):ご先祖様をお迎えします。

ナカビ、ナカヌヒー(真ん中の日):沖縄ではお中元を持って、仏壇のある親戚の家々を回り挨拶をします。

ウークイ(お送り):親戚一同が集まり、飲食を共にしながらご先祖様と一緒に過ごす最後の日です。

旧盆の1日目、ウンケーのやり方は?何をお供えするの?

ウンケーは日が沈み始める夕方に行います。

仏壇に花や提灯を飾り、お供え物を用意します。

家の玄関前でろうそくを灯し、線香に火をつけ、家族一人一人に線香を渡します。

家の長が名前と住所を言い「ウンケーサビラ。メンソーレ。」(お迎えに来ました。どうぞお入りください。の意味)と言って、ご先祖様を招き入れます。

その後、線香を持ったまま家に入り、仏壇の香炉に線香を立てます。

ウンケーのお供え物

◆平御香(ヒラウコーと呼ばれる沖縄独特の平たいお線香です)
平御香は縦に6本分の筋が入っていて、簡単に割れるようになっています。
この線香の本数には意味や決まりごとがあって、用途や願い事の内容によって使用する本数が決まっています。

◆ろうそく

◆お茶

◆お酒

◆ちょうちん
お盆の間中、つけっぱなしにしておきます。

◆打紙(ウチカビ)
紙銭:カビジンとも呼ばれる「あの世のお金」です。

◆果物
パイナップルやスイカなどの大きな果物は左右対称に仏壇の2段目に、小さな果物は左右対称になるようにお盆に乗せ、仏壇の上から3段目に配置する。
バナナ、リンゴ、みかんの他、南国らしくドラゴンフルーツやマンゴーが並ぶことも。

◆グーサンウージ(ウージ:さとうきび)
ご先祖様が帰る際、転ばないように杖として使います。7節あるものを2本用意します。
さとうきびには、雨風や台風にあおられて地面に付くほど倒れてしまっても、また自分の力でまっすぐ立ち上がるという性質があります。
そのため、ご先祖様が転んでしまっても、さとうきびの力で立ち上がることができると言われています。

◆ミンヌク(短く切ったさとうきび) 
ご先祖様と一緒に入ってきてしまった身寄りのない無縁仏やチガリムン(餓鬼)に持たせるためのものです。

◆ウンケージューシー
ジューシーとは沖縄風の炊き込みご飯です。
ウンケージューシーにはショウガの葉やショウガ、ヨモギなどの香りの強いものを入れます。
無縁仏やチガリムンにごちそうを食べられないようにするためです。

◆ナマシグァー(酢の物)
ウンケージューシーを食べることができなかった無縁仏やチガリムンが食べるためのものです。

◆ご先祖様の好物が並ぶこともあります。(ビールやスイーツなど)
旧盆の間は家族と同じようにご先祖様にも3食用意し、家族は同じものを食べます。

お供えするときには線香を立て、線香が燃え尽きたら食事が終わったとみなし、再度線香を立ててから食事を下げます。

旧盆は各家庭によって、やり方やお供え物に違いがあることも珍しくありません。

長男の嫁として嫁いできた方にとって、嫁ぎ先の家系のしきたりや料理の味付け、親戚一同との直接的な顔合わせなど、覚えていかなければいけないことも多い上に、目も回る忙しさのため、旧盆中は修行の場でもあるのです。

旧盆の2日目、ナカビ(ナカヌヒー)のやり方は?何をお供えするの?

ナカビにはお中元を持って、仏壇のある親戚の家々を回ります
沖縄ではお中元を贈りあう習慣はなく、訪れた際に手渡すのが一般的です。

訪問先の仏壇にお中元をお供えし、線香をあげ、近況報告や雑談をします。
訪問された側は、冷やしそうめんやお菓子などを振る舞います。

とはいえ、ほとんどの訪問先ではお菓子にとどまらず、いろいろな食事を提供してくる「カメーカメー攻撃」(これも食べなさい、あれも食べなさいと次々に料理を差し出される攻撃)を受けること必至ですが。

また、3~4か所の家を回るだけでも、みんながこの日に一斉に移動するので交通渋滞は避けられません。

観光客にとっては、交通渋滞に加え、バスなどの交通機関も祝日扱いの運行(運休になることも)、観光施設やお店などもお盆休みになっていることが多いので、旧盆中の沖縄観光は避けたほうが無難です。

ナカビのお供え物

朝食:ご飯、汁もの、酢の物

昼食:冷やしそうめん、お団子

夕食:ご飯、汁もの、煮つけ(大根や豆腐、昆布、豚肉を使ったもの)

旧盆の最終日、ウークイのやり方は?何をお供えするの?

旧盆の中で一番大切な日がウークイです。
ウークイはご先祖様をお送りする日なのですが、早い時間に帰すのは失礼になると考えられ、夜遅くに行われます

それまでは、男性たちはリビングで重箱のごちそうやお酒を飲み交わしながら、親戚同士で近況報告や雑談などでワイワイ盛り上がります。

そんな男性たちとは対照的に、女性たちは常に台所に立ち、食事の盛り付けや後片付けに追われます。
自分たちの食事は台所の隅でササっと済ませることも。

ウークイのお供え物

には、ナカビと同じように食事を用意します。

ごはんは炊き込みご飯や赤飯、白米と、汁物はいなむどぅちやソーキ汁、中味汁などを用意するのですが、作り置きなどせずに毎食新しく作り直します
出来立てのおいしい料理でご先祖様をもてなすことが礼儀だと考えられているためです。

そして、夕食には豪華にウサンミと呼ばれる重箱料理のごちそうを用意します。

重箱の1段目には、餅5つを3列に配置したもの、2段目には、かまぼこ、カステラかまぼこ、てんぷら、三枚肉、昆布、ごぼう、厚揚げ、こんにゃく、揚げ田芋などのおかず9品を詰め合わせます。
各家庭や地域によって料理内容は変わってきますが、品数・中身の数は必ず奇数にします。

このように、何種類もの料理を人数分用意しなくてはならないため、親戚の数が多ければ多いほど作る人にとっては負担も出費も大きいもの。

そこで、大型スーパーやてんぷら屋さんでは、重箱やオードブル、お寿司などを旧盆用に予約注文することもできるんですよ!

ウークイのやり方

夜も更けてきたころ、仏壇の前に親族一同が集まります。

進行役(年長者や家主)が線香を15本(平御香2枚と1/2枚)と、それぞれが3本(平御香1/2枚)を供えます。
平御香12本で12支の神様、12ケ月を意味し、3本は私からの真心という意味があります。

全員で仏壇に向かって手を合わせ、ウートートー(拝む)します。

しばらく経って線香が半分ほどになったら、進行役がカニバーキと呼ばれる金属製のボウル(中に網を敷く)に、参加者1人につき1枚分のウチカビを人数分燃やしていきます
ウチカビはあの世のお金で、ご先祖様にとって次の旧盆までの生活費と考えられています。

子や孫が多ければ多いほど、そのご先祖様は裕福な暮らしができるのです。
人数分のウチカビを燃やしたら、火が消えぬうちに仏壇にお供えしていたお酒とお茶をかけます

次に、仏壇に飾っていたお花香炉の燃えかけの線香お供えしていた料理の種類ごとに1切れづつ入れます。
これらのお土産をクワズイモの葉(風呂敷の代わり)で包み、グーサンウージとミンヌクを持って、門前まで全員で移動します。

門の隅にそれらを置いて、「マタン、ヤーヌンメンソーチクミソーリ」(また、来年もいらっしゃって下さいねの意味)と手を合わせ、見送ります。

ご先祖様へのお土産は翌朝までそのままにしておき、後ろを振り返らずに家の中へ入ります
後ろを振り向くと、ご先祖様が淋しく思って帰りづらくなってしまうからです。

家に入ったら、仏壇の飾りやお供え物の残りは速やかに片付けます
名残惜しいような気もしますが、その気持ちでご先祖様を引き留めてしまわないようにするためです。
気持ちよく帰ってもらえると、また来年の旧盆も楽しみにしていてくれるかもしれませんね!

ウークイが終わる頃、時刻は深夜を回っていますが、エイサーの太鼓や三線の音が聞こえてきます。
本土でも有名になった沖縄のエイサーは、元々、ウークイにご先祖様を見送るための演舞なのです。

地域の至るところを回りながら、明け方近くまでエイサーは続きます。
きっと、ご先祖様も帰り道の途中でエイサーを楽しまれているかもしれません。

太鼓の音を遠くに聞きながら眠りにつく時、沖縄の夏が終わり、秋の気配がやってくるのです。

まとめ

いかがでしたか?
先祖崇拝が根強く残る沖縄の旧盆の様子がお分かりいただけたでしょうか?

本土から沖縄に嫁いできた方にとっては、かなりのカルチャーショックを受けるそうですが、この旧盆のやり方は地域や家庭での違いは多少あれども、琉球王朝時代から続いている古い歴史があるのだそうです。

見えないはずのご先祖様の霊の存在を信じ、みんなが敬意を表してもてなすのは、先祖崇拝の強い沖縄ならではですよね。

旧盆を迎えるたびに自分のルーツを考え、ご先祖様から代々繋がってきた命に感謝し、またその命を大切に次世代に繋げていこうという気持ちになりますよ。

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