アットマーク「@」といえば、
メールアドレスやTwitterアカウントでおなじみの記号ですよね。
「アットマーク」という呼び方を何気なしに使っていますが、
実は正式名称があるってご存じですか?
また、国によってその呼び方も色々と変わるんです。
では、アットマーク「@」の意味や正式名称、由来や世界各国での呼び方を見ていきましょう。
アットマーク「@」の正式名称と意味
「@」の正式名称は2つある、と言った方がよいかもしれません。
アットマークの正式名称 その1
まず1つ目は「単価記号」という呼び方です。
意味としては、その名の通り単価を表す時に使う記号で、会計・経理の現場で使われます。
使用例を挙げると、
「@100円×10個=1,000円」だと、
「100円の単価のものが10個で小計1,000円」という具合です。
アットマークの正式名称その2
2つ目は「コマーシャルアット、commercialat」という呼び方です。
こちらは、文字コードの業界規格であるUnicode(ユニコード)や、ANSI(米国国家規格協会)、CCITT(電気通信標準化部門)、JIS(日本工業規格)においても共通した呼び方となります。
「世界」で見た場合、「@」の正式名称はこちらが公式色が強いかもしれません。
上記のどちらにせよですが、アットマークという呼び方は通称になります。
記号では他にも、ビックリマーク「!」や、はてなマーク「?」が一般的ですよね。
この「!」や「?」、さらにそれらを組み合わせた「!?」や「?!」にも実は正式名称があります。詳細は以下の記事をご参照下さい。
アットマーク「@」の由来
アットマーク「@」の起源、由来には諸説あります。
一例では、
◇ギリシャの水量単位@からという説
◇スペイン語圏・ポルトガル語圏の質量の単位アローバ (arroba) の記号からという説
◇ラテン語の「アンフォラ」(取っ手が付いたツボ)という意味の記号からという説
◇フランス語の前置詞 à(英語の at にあたる)の変形という説
◇英語の each at から、e と a の合字という説
等々ありますが、
有力と言われている説は、ラテン語の「ad」から来ているというものです。
このラテン語「ad」は、英語の「at、to、for」と同じような意味合いです。
中世の修道士が聖書の複製の際に、「a」の周りに「d」の半周を書いたのが始まりとされ、その後、略記表現が進化する過程を経て、1筆で書ける「@」になったとされています。
メールアドレスで「@」が使われたきっかけ
単価を表す「単価記号」として使われていた「@」が、メールアドレスで使われるようになったきっかけがあります。
それは、電子メールの元となるプログラムを開発したアメリカのレイ・トムリンソン氏が、1971年に行った電子メールを2台のコンピュータ間で送信する実験です。
その実験において、「端末A」から「端末B」に電子メールを送る際、「端末Aに自分ではない端末ということを認識させるため「@」を使用した」のが始まりです。
同氏が@を使用した理由は、
1.名前として@が使われることがほぼない点
2.@が場所や位置を示す『at』と同音のため、ユーザーが各ホストにいると表せる
という2点で、
その分かりやすさも有り、その後メールアドレスで「@(アットマーク)」を使用することが定着していきました。
コンピューターの分野でよく使う記号では「*、#」などもあります。
別記事で詳細をまとめているので、参考までにご活用下さい。
国によって違うアットマーク「@」の呼び方
「@」の呼び方(通称)は、英語圏の国では「at sign(アット サイン)」や「at symbol(アット シンボル)」などが一般的ですが、世界各国でその呼び方は多種多様です。
各言語表記は割愛しますが、各国での通称が「どういう意味を表す言葉で呼ばれているか」をいくつか紹介していきます。
●英語圏…サイクロン、カタツムリ
●フランス…エスカルゴ、アロバズ(質量の単位)
●スペイン・ポルトガル…アローバ(質量の単位)
●イタリア・ウクライナ・ベラルーシ…カタツムリ
●オランダ…猿の尾、揺れる猿
●ドイツ…クモザル、猿の尾の意味
●ギリシャ…小さなアヒル
●スウェーデン…シナモンロール
●フィンランド…猫の尾
●ブルガリア…小さな猿
●ポーランド…猿
●スロベニア…猿
●ロシア…子犬
●韓国…巻貝
呼び方の違いといえば、「企業」と「会社」はどう違うかについてや、呼び方が変わる「出世魚」についてなど、以下もぜひご参照下さい。
最後に
国による通称が、こんなにたくさんあるのが面白いですよね。
単著な言い方になりますが、世界は広いなと感じる次第です。
最後に、世界各国の略称に関してまとめた記事もあるので、そちらも覗いてみて下さい。
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