温かくなってくると、草花がたくさん育って緑がにぎやかになりますね。
それとともに虫もたくさん現れ、またそれを追ってたくさんの捕食者たちも顔を見せます。
様々な捕食者がいますが、その中で今回は『ヤモリ』についてお伝えしましょう。
ヤモリは家の近くに生息していることが多く、生まれてから一度も見たことがない!という大人は少ないのではないでしょうか。
かなり身近な動物ですが、今までヤモリを見たことのある人、そのヤモリの色は何色でしたか?
白いヤモリではありませんでしたか?
白いヤモリは縁起が良い、白いヤモリを見たら幸せになれる、そんな話を聞いたことはないでしょうか。
ではなぜ、白いヤモリが縁起が良いと言われているのか、その理由と信憑性について検証してみましょう。
家の中でみかけるのはイモリじゃなくてヤモリ
家の内外でトカゲらしき姿を発見して、「イモリ!…ヤモリ?」となる時ってありますよね。
家の中で見るとすれば、それはヤモリです。
ヤモリは爬虫類でトカゲの一種ですが、イモリは両生類で水辺に棲んでいます。
イモリは両生類ですので、カエルのように幼生(カエルではオタマジャクシ)の時期があり、その姿はトカゲというよりはウーパールーパーという方がわかりやすいでしょう。
ウーパールーパーと言われると、愛らしくかわいらしいイメージですが、イモリにはテトロドトキシンというフグ毒と同じ成分を持っているから注意が必要です。
日本でいうイモリは主にアカハライモリを指しますが、彼らの腹がダース・モールのようであるのは、「危険だよ!食べちゃダメ!」という警告のためとされています。
ヤモリの特徴は?色は何色?
ヤモリは夜行性の爬虫類で、ヤモリ(家守・屋守)の名前の通り、家の内外に住む害虫を食べて駆除してくれる人間の味方です。
日本に生息するヤモリの種類は数多いですが、そのほとんどが沖縄周辺の温かい地域に生息しています。
本州の人がヤモリに出会った場合、そのほとんどがニホンヤモリです。
ニホンヤモリの色はグレーに近い色で、カメレオンほどではありませんが、環境に応じて色の濃さを変化させることができます。
見る場所や時間帯によって、白っぽいこともあれば黒に近いときもあり、脱皮が近づくとより白くなることも報告されています。
白いヤモリは縁起がいい?
ヤモリが黒に近い色だと、私たちは野にいるヘビやトカゲのように『野生』を連想してしまって、嫌悪感を感じる人もいるでしょう。
でも、家の壁にペタッと張り付いているトカゲらしきものが真っ白だと、どう感じますか?
嫌悪感より好奇心が勝ってしまって、興味津々で近づいてみようと思うのではないでしょうか。
昔からの言い伝えで、「白いヤモリは縁起がいい」、「白いヤモリを見ると幸せになれる」という説をよく耳にします。
ヤモリは見ようによっては白っぽく見えることもありますが、ここで言う白いヤモリは色素欠乏したアルビノを指すものと思われます。
白い生き物と縁起を結びつけて考えることはヤモリだけに限りません。
ヘビ・キツネ・ウサギなど様々な種類の動物で、白い動物は古来より日本で神聖なものとしてあがめられてきました。
「白いヘビは神の使い」と、おじいちゃん、おばあちゃんから教わった人もいるでしょう。
日本だけでなく、古来中国でも同様に、キジ・トラ・シカなどで白い動物が尊ばれてきたのです。
では、本当に白い動物を見ると、いいことがあるのでしょうか?
白を神聖なものとする理由
日本では冠婚葬祭にも白が多用されるように、白という色そのものを神聖な場で用いることが多くあります。
白という色に対して人が持つシンプルなイメージは、「汚れていなくてキレイ」というものですね。
そこから連想するイメージを文字にすると次のようになります。
汚れていない→清潔・純粋・美
汚れる前の色である→万物の起源
汚したくない→聖域
このように、白であるというだけで、人間が立ち入ってはいけない神の領域を連想させるのです。
このことがまず第一に白い動物を神聖なものと位置付けている一つの理由ですね。
それに加えて、白い動物は自然界ではどうしても目立ってしまい、命を落とす危険性が高くなるため、圧倒的に数が少ないのです。
この『希少性』が、その他の平凡なものとの存在を隔絶し、この世に二つとないオリジナリティという価値を生み出しています。
『清潔』 『美しい』 『希少価値』 というイメージが、白い動物を人間界を凌駕した存在と同一視させ、「神の領域にいるものに出会えたのだから、きっとその恩恵を被るに違いない」という期待を呼び起こす…。
これが、古来より白い動物が神聖視されてきた歴史をつくってきたと言えるでしょう。
余談ですが、縁起が良い「ラッキーセブン」言葉は聞いたことがあるかと思います。
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まとめ
白いヤモリの言い伝えをひも解いてみましたが、いかがでしたでしょうか?
なんだかありがたみが薄れた・・・と思う人もいるでしょう。
でも、そもそも『運』というものは、人間の意志の領域を超越した神の意志(天命)ですから、神の化身とされる白い動物達に通じるものがあります。
日本人は正月になれば神社に出向いて祈りますよね。
そして神社には必ず御神体があります。
御神体とは神の宿る場所や物のことで、昔から他のものとは違う石、山、滝、巨木などがその対象となってきました。
この白い動物たちも神の化身、つまり御神体と同じですので、神社でないところで神様降臨!ということと意味的には同じなんです。
わざわざ詣でていないのに、神様の方からお姿をあらわしてくれたのですし、しかも生きて動いているわけですから、それはそれでかなりラッキーに間違いないわけです。
四つ葉のクローバーを見つける幸運とは違って、神様要素が入っている分、ラッキー度は大幅アップなんですよ。
温かい季節は白いヤモリ様が降臨しますので、庭やベランダや家の壁など目を凝らして見てみると、幸せをつかみとることができるかもしれませんね。
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